no.7 未来への恐怖

僕が自分を変えようと思いついたこと。
さまざまな実験を重ねて今の方式を確立したこと。
こうした努力の原動力となった気持ちがある。
それは、恐怖。
「このままで一生を終えたくない!」という恐怖だ。

僕はいつも何かを恐れていた。
一人で弁当を食べるときは
「みんなに変な目で見られてないだろうか」
サッカー部の練習の直前には
「二人組みを作るときに余ったらどうしよう」
散髪に言った次の日には
「この髪形で何か言われないだろうか」

そんなあるときふと将来について考えてみた。
このまま時が経ったらいったい僕は
どうなっているのだろう。
そのとき3つの恐怖が出てきた。

一つ目は、恋愛。
僕は高校時代、まったくモテなかった。
でもそのことについて深刻に悩むことはなかった。
なぜなら、自分の優しい性格には自信を持っていたから。
人に教えたり、小さい子供と遊ぶのが好きだった。
だから「まあそのうち何とかなるさ」と気楽に
考えていた。それまでは。

そんなある日浮かんだのがこんな疑問だ。
「僕はそんな自分の良さを人に伝えているだろうか?」
考えてみると答えはNOだった。
僕は自分を客観的に見つめてみた、
クラスの女子から僕は、どんな風に映るだろう・・・

そこで出てきたのがこんな自分。
いつも一人ぼっち。
何かを聞かれても、当たり前の返事しかできない。
自分から友達を作ろうとしない。
自分の個性を出そうとせず、いつも「無色」でいようとする。
何を考えているのか分からない。
もしかして裏ではとんでもないことを考えてるんじゃないか?

こんな人間に、誰が好意を持つというのだ。

ちなみに、そのころ僕はかなり女子に話しかけられていた。
でもそのキャラクターは
「いつも一人ぼっちの寂しそうな人」
だから優しく面倒を見るような感じでみんな接してくれた。
でもそれでは、僕自身に興味を持ってくれるはずがない。

積極的になれとは言わない。
でもせめて自分の優しさを、長所を、個性を出せるくらいの
人間にならなければ。
そうしなければ、誰も僕を見てくれない。
このままでは、一生一人のままだ。

二つ目は、新しい世界。
人見知りをする人間は、新しい環境になじむのに時間がかかる。
僕も高校入学直後はものすごく緊張した。
このまま誰も話しかけてくれなかったらどうしよう。
クラスで孤立するのは嫌だ。
そんな不安で神経をすり減らした。

これから先人生を歩んでいけば、また僕は新しい世界に
入らなければならないだろう。
あの緊張を何十回も味わわないといけないのか。
想像すると怖くなった。逃げ出したいと思うほど。
今の自分の性格が僕を不幸にする。
確実に。

仕事では必ず
新しい人との出会いが格段に増える。
嫌いな人とも会い続けなければならない。
仕事の「付き合い」もしないといけない。
僕は苦しみながら、恐れながらそういった人間関係を
続けることになるのか。
みんなはそれを楽しんでいるというのに。

時をさらに進めると、課題がさらに増えた。
転職。独立。
もしそうするべきときが来たら、
僕の性格が大きな足かせになるのでは?
退職。失業。
人目を気にせず、新しい世界に飛び込めるだろうか?

この内気な性格が、僕の楽しさを奪う。
寂しさと孤独へ引きずり込む。
仕事の実力を、チャンスを失わせる。
そんなのいやだ。このままで生きていくなんて嫌だ!

三つ目は、日々の暮らし。
道を歩いていると、いろんな人に出会う。
居酒屋の前でワイワイ騒いでいる大学生。
手をつないでいるカップル。
友達と二人でベンチに座っている中学生。
母親に見守られて公園ではしゃぎ回る子供たち。
人とのつながりって、楽しいことなんだな。
彼らとすれ違うたびに、そう感じる。

でも僕には、いまの自分の前には何がある?
何もない!
表面的な当たり障りのない付き合いだけ。

もっと自分をさらけ出さないと。
積極的に人と関わらないと。
そう思うたび、胸が苦しくなった。

今日の苦しさに耐えながら、一日が終わる。
すると次の日が始まる。
いつの間にか一週間が、一ヶ月がたっている。
そしてこのまま・・・
死ぬまでこんな日々が続くのだろうか。

これが三つ目の恐怖だった。

恐怖をエネルギーに
ほかの文章を読んだ人はわかると思うけど、
僕は人と話せるようになるために
「恐怖を克服しなさい」ということを言っている。
矛盾してるんじゃないか?と思った人もいると思う。
恐怖を「原動力に努力しろ」と「克服しろ」。

その矛盾を解く鍵は「恐怖の意味」。
考えてごらん。人間には、どうして「恐怖」という
感情があるんだと思う?
なぜ「怖い」って感じる心があるのだろう?

その答えは、「警告」なんだ。
「今のあなたにはそれは危険すぎる」
「この調子だと間に合いませんよ」
そういうメッセージがこもっている。
だからあなたに向かって
「危険だから、前へ進むな!」とか
「間に合わないから、学校へ速く走れ!」
などと命令する。

高い木に登って降りられなくなった猫は
下へ降りたいけれども、
その猫の運動能力では安全に降りられない。
だから「危険だ!やめろ!」という恐怖と
「降りたい、下に行きたい!」という意志が激しく争い
不安と苦痛を感じる。

そしてその警告には、さらに二つの
「裏」のメッセージがある。

それは
1.今のあなたじゃ無理だから逃げなさい。
2.その恐怖がなくなるほどあなたが強くなりなさい。
この二つだ。

ほとんどの動物は1をとる。人間も同じだ。
怖いことはやりたくない。そんな気持ち、わかるよね。

でも人は人から逃げることはできない。
それに、逃げたくない。
人間関係が本当は楽しいものだとわかっているから。
人の温かさを本能的に求めているから。

だったら、2をとるしかない。
恐怖をなくしたいという気持ちを「原動力として」
それを「克服する」ほどの力を身につけよう。
その意味、わかってもらえたかな?

恐怖を克服して「楽しく話せるようになるための4つのステップ」
全四回のオリジナル・メルマガをお送りします。

ホーム「あなたも内気・人見知り・対人恐怖症を克服できる!」
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送