no.3 僕は内気の恐怖から立ち直った。

僕は内気を克服し、人生ががらりと変わりました。
でもそこへ至る道は簡単ではありませんでした。
僕の努力、失敗、そして結論について書いていきます。

克服の過程だけを知りたい人は 第三章へ

第一章 小学校時代
いきなりで悪いけど、小学校では明るかった。
学校の授業ではよく発言していたし、クラスの中で
リーダーシップをとっていた時期もある。

でも、他人から批判されるとすごく傷ついた。

一番最初に思い出すのは、小学校4年の出来事。
ある日の国語の時間、僕に音読の順番が回ってきた。
僕は立ち上がり、いつものように大きな、はっきりした声で
読み始めた。
するとすぐ周りから「えっ」「違うよ」という
どよめきが聞こえてきた。
読む場所を間違えていたのだ。
僕はその瞬間、目から涙がこぼれてきて
机に突っ伏して泣いた。

そんな思い出がすごく多い。
ディベートの時間、見当はずれの意見を言ったとき。
サッカー部で
「お前は下手だから選抜テストを受けるな」
と言われたとき。
家庭科の時間。使う布を間違えたとき。
泣き虫、そんな言葉がぴったりの少年だった。

第二章 殻に閉じこもる
中学校に入ると、クラスの中で明るく振舞うことができなくなった。
「汚れた空気」とでも表現すればいいのかな。
下ネタと悪口でバカ騒ぎする男子。
女子と男子の間の大きな溝。
生徒を力で押さえ込もうとする、先生たちの雰囲気。
僕はそんなクラスの中心から一歩離れ、親しい数人の友人とだけ
付き合うようになった。

さらに中学校2年のときには「いじめ」が起こる。
先生を含めたほぼ全ての人間が敵に見える毎日が始まった。
中学を卒業するまでの間ずっと。
原因は僕にあるため、誰にも話すことができない。
親友や家族にさえ、理解してもらえない孤独感を感じ始めた。
この世から僕の「安息の地」は消えうせた。

僕の前に死神が舞い降りた日のことははっきりと思い出せる。
クラスメイトにより「死刑宣告」が読み上げられるなか。
心臓の鼓動が体に鳴り響き、耳にまで聞こえた。
俺がこれまで見ていた世界は、幻想だったのか。
みんな嘘だったんだ・・・
強い力で締め付けられた時点で頭が真っ白になった。
戦おうと振り上げた拳に力は入らない。
この世界の全てが敵なのだから。
やがて言葉を失い力は抜け、ただ泣くしかできなくなった。

次の日から僕はいなくなった。
魂の抜き取られた僕の体だけが残った。
家族から、友人から、先生から求められる役割を演じるだけの
人形と化した。大声で泣き叫ぶもう一人の自分を暗い部屋
に押し込め、鍵をかけた。
周りの人間は誰一人、僕に何かが起きたことさえ気づかなかった。

そして高校入学。
僕は3年前とは全くの別人となっていた。

仲の良い友達がいない。
昼の弁当も一人で食べる。
寂しさと、他人の視線の恐怖を感じながら。
食堂にも恥ずかしくて行けなかった。
「変な目で見られていないだろうか」
「こんなこと言って嫌われないだろうか」
ということを過剰に気にしていつも偽りの自分を演じる。
だれかが話しかけてくれても
「うん」「そうだね」「○○かな」
ということしか言わなかった。
自分から話題を出すことはない。
だから余計変に思われる。
廊下を歩くときは、下を向いて歩く。
サッカー部の先輩にあいさつするのが
いやでたまらないから。
部活で二人組みを組むときは「余ったらどうしよう」
といつも恐れていた。
それでも自分から声をかけなかったので逆に一人になる。
話し方を他人からからかわれても怒ることができず
いつも笑っていた。

こんな中、僕は前へ進むための努力を始める。

第三章 本を読み始める
その苦しい日々の中で僕が始めたことは、読書。
中2のころから図書館に通うようになったんだ。
きっかけはよくわからないけれど
「目の前の現実に向かって前向きに努力していこう」
という気持ちが生まれた。

小説や学問的な本はほとんど読まず、目の前の現実を
変えるための実用的な本をずっと読み続けた。
サッカーの本から始まり、スポーツ理論や勉強法。
時間管理や自己啓発など。
次第に面白くなって様々な分野へ手を広げていった。

とても地味なことだけれども、この読書の習慣が
僕の人生を変える努力の原点となっている。

第四章 「今日の目標」を立ててみても・・・
さて、高校に入って他人を過剰に恐れていた僕。
しばらくはそのまま過ごしていたのだが、あるとき「自分を変え
ていこう!」と思い始める出来事、いや本に出会った。

それは、「七つの習慣 最優先事項」
(読んでみたい人にはより簡単な7つの習慣 ティーンズをオススメします)

そのなかにはこうあった。
自分自身を高めるために、毎週四つの目標を立てること。
肉体(健康など)
精神(気晴らしなど)
知性(学ぶこと)
そして、感情(人間関係など)

僕はこれを実践し始めた。
毎週日曜日に一時間かけて「今週の目標と予定」を立てた。

これをはじめると、始まったんだ。
自分を変える旅が。
それまでは、自分の性格を変えるなんて
考えたこともなかった。
目標を立てることによって、「どうすればもっと楽しく
生きられるのか」と考え始めた。

僕にとっては大きな変化だった。

でも目標を立てて実践しても、何も変わらなかった。

たとえば4月。新学期。あなたならどんな目標を立てる?
普通に考えると「新しい友達を作る」だよね。僕もそうした。
でも、話しかけられない。怖くて。

そう、最初の一歩の踏み出し方がわからなかったんだ。
上の目標が無理だったなら、それよりハードルの低い目標を
立てるべきなんだ。
でも、どうすればハードルを下げられるのかがわからなかった。

勇気を持って話しかければいい?
よくこう言う人がいるよね。
でもそれは100mを15秒かかる人に、いきなり
10秒で走れと言うようなもの。
とてもできない。

このような思いの中、僕はそれから10秒の目標を立て続けた。
そして失敗し続けた。

第五章 イメージトレーニングをしても・・・
その「目標を立てること」とほぼ同時期に始めたことが
もうひとつある。
それは「未来を思い描く」ということだ。

きっかけは、やはり本。
「成功哲学」という分野に興味を持ったことが始まりだ。
「人がイメージしたことは、現実になる」
一言で言えば、そんな感じ。
だから失敗のことを思い浮かべて恐れるより、
成功したときをイメージしなさい、と書いてあった。

そして僕は、そのとおり肯定的なイメージをし始めた。
朝起きた直後に数分間、願望を達成したイメージをする。

この「目標を立てる」と「未来を思い描く」こと。
それからの僕の生活の2本柱となった。
目の前の道を一歩ずつ進みながら
大きな夢を持ちそれを目指す。
そんなバランスの取れた努力をすることができた。

でも、僕の性格や行動は変わらなかった。
本に書いてあるような「奇跡」「劇的な変化」は
決して起こることはなく
いざ人の前に立つと、怖くて何もできなくなった。
理由は簡単だ。
僕は性格を変えようとは思っていなかったから。

僕にとってこの苦しみは、当たり前のことだった。
小さい頃の楽しい毎日など忘れてしまっていた。
「未来をイメージしなさい」と言われたところで
目指すべき幸せは、見えてこなかった。
だから僕は
「サッカー部でレギュラーになる」
「プロサッカー選手になる」という夢に向かい続けた。
「自分の性格を明るくする」ということは、いつも
サブとして、補助としてしかやろうとしなかった。

※成功哲学について学びたい人には、
「幸せな奇跡を起こす本」をオススメします

第六章 いろんなことを試しても・・・
その2本柱の下で
ほかにもいろんなことをやってみた。

まずは「自己暗示」
自分に言葉を言い聞かせること。
「周りのみんなは、あなたがどんな人なのか知りたがっています」
「気の利いた言葉なんて要りません。ただ笑顔でいればいいのです」

これを繰り返すと、確かに元気が出た。少し明るくなった。
でもやはり自分を変えるほどではなかった。

つぎに、「会話練習」
自分の苦手な人を思い浮かべて、彼とイメージの中で話をする。
何を話したらいいのかわからない。
まったく効果なし。

それから、「姿勢を正す」
僕なんかはいつも下を向いて歩いてた。人と話すのが怖いから。
人の目を見ると、胸がドキドキした。
 だから逆に姿勢をよくすれば変わるかも、と思った。
やってみると、世界が広がったような気がした。
イスに座るのが楽になり、授業に集中できた。
でもこれも話をするという点では、意味がなかった。

今思い返すと、この頃はかなり苦しかった気がする。
目の前の現実から目を背けるためにただひたすら前へ進む。
しかしうまくいかない。効果が出ない。
そのたびに絶望感に襲われる。
背負った荷物の重さに泣き叫びたくなる。
でも誰も助けてくれない。
前へ進むしかない。

下を向いて前を見ずに歩き続けた。

第七章 過去の清算、に出会う
高三の夏、僕は第五章で言った「成功哲学」の講座を
受講し始めた。
これはサッカーのため。
性格改善という点では効果がなかったが、サッカーではそれが
目覚しい効果を挙げていたからだ。
いつもプラス思考でいること。
最後まであきらめないこと。
そんな姿勢になれていた。

その受講料は一ヶ月9400円。
バイトをしない高校生にはあまりにも高すぎる値段だ。
でも僕は申し込んだ。
騙されたっていい。
無駄になってもいい。
最後までもがき続けるんだ。
後悔だけは絶対にしたくない。
そう考え、受講した。
そこで目の前の扉を開ける鍵を拾う。

その鍵は付属のCDにあった。
「潜在意識のクリーニング」という名前のイメージワーク。
それの内容は「過去のつらい思い出の不快感を取り除く」
というものだった。

それを続けていたある日、考えが浮かんだ。
「僕が人とうまく話ができないのは過去の経験のせいだろうな。
だからこれを応用すれば性格を変えられるかも?」
僕は昔のつらかった経験を書き出してみた。
103個書き出した。
それからそれを全て「クリーニング」した。
するとその経験を思い出してもつらくならなくなった。

しかし、実際の場面での恐怖はそのまま。

第八章 恐怖を克服する
でも僕はあきらめず、いろいろと工夫してみた。
まずは自分を変える、ということに関する本を何冊も読んだ。

アダルト・チルドレン(虐待などのため自己評価が極端に低い人)
インナーチャイルド(自分の中の幼い部分と会話する)
話し方。性格を変える。という関係の本
コントロールドラマ(虐待、口論、中傷など
同じパターンの争いを何度も繰り返す人たち)

役に立った本を挙げると
インナーチャイルド―本当のあなたを取り戻す方法
こころの対話
誰とでもラクに話せるようになる本
聖なる予言
内気と不安を軽くする練習帳
などなど。

そして
その中のものを組み合わせて、自分なりの方法を確立しようとした。
練習メニューを自分で作り上げ、トレーニングする。
問題点を見つけ、それを改善する。
そんな作業を続けた。
当時使っていたメモ帳に、そのメニューを何十回と書き出した。

もうこのころには、「無心」になっていた。
未来のことも過去のことも考えず、ただ方法を練り上げることだけを
考えていた。
当然このやり方で効果が出るなんて考えてもいなかった。

だが効果が出た。それも意外な場所で。
それはなんとサッカーだった。
2003年10月13日。
高校生活最後の練習試合の日のことだ。

僕はそれまでサッカーのプレーに問題を抱えていた。
学校の授業や遊びのときはすごいプレーができるのに
部活の練習、試合になると緊張してうまくプレーができない。
いつも劣等感と恐怖に悩まされていた。

僕はレギュラーになりたかった。
だからこそこれが最後のチャンス。
前日に未完成(だと思っていた)な恐怖の克服のトレーニングを
2時間かけてやった。
出発前には30分の瞑想をして精神を集中する。

そうしてから試合に出ると驚くべきことが起きた。
「緊張しない!」
体がリラックスして、ボールが来たときに次にどうするかが
次々と浮かんでくる。
この日は人生で最高のプレーができた。
(詳しい情景は、僕のサッカーのHPを見てください)

結局サッカーの夢は叶うことがなかった。
でもその日の試合のあとで僕は確かな手ごたえを感じていた。
いける。これならいける。
約5年間さまよい続けた暗闇のなかで、初めて光を見た。

やがて、本命のほうも変わった。
ゆっくりと少しずつ。
先生、友人に「大学へは進学しない」とはっきり口に出すことが
できるようになった。
ものすごく怖かったが、言い出すことさえできなかった頃より
少し進歩した。

そして自分で「変わった!」とはっきり実感できた出来事が
二つ起きる。

ひとつは、体育の卓球の時間。
ラケットをテーブルの上において、靴の紐を結んでいた。
そうしたら、いつも僕をからかっていたT君という友達が、
僕のラケットを勝手に使い始めた。
ぼくは「返して」と言ったが、返してくれない。
三回ぐらい言ったけど、無視された。
僕が何をしたか。
彼に近づき、腕をつかみ、ラケットを力づくで奪い取った!
そして一言
「ふざけるな」
このとき、顔が真っ赤になっていた。
きっと彼はさぞかし驚いたことだろう。
「いつも何も言わなかったハマ(僕のニックネーム)が」

その後は不機嫌な気持ちを残しながら卓球をやっていたけれど
心の中は喜びでいっぱいだった。
「俺はこんなことを言えるようになったんだ」って。

二つ目は、部活の引退会見のとき。

僕の入っていたサッカー部では、三年生が引退するとき、
部員全員の前で話をする。
ちなみに部員数は180名(!)。
引退が決まってから会見まで5日あった。
もちろん原稿を用意して、練習した。
以前の僕ならどんなに練習しても、本番になると
必ず緊張してしまう。

今回も会見をやる教室に入り、いすに座ったときは
正直ものすごく緊張していた。
僕の番になる。
立ち上がって、みんなの前に行くと、「おおー」という
どよめきが走った。
今まであまり話さない人だったからだろう。
それでも、みんなの前に立って話し始めたとたん、心が静まった。
ほんとにすっと消えた。
それからは、暗記してあった原稿どおりにしゃべることが
できた。
原稿になかったことも言えた。

その会見が終わったときはもう暗くなっていた。
何人かの人から「ハマよかったよ」「かっこよかった」
「感動した」などといわれ、とてもうれしかった。

でも暗い道を歩きながら僕が一番胸の中に感じていたのは
達成感だった。
俺は、変わったな。
最高の形で高校サッカーを終えることができた。
友人に、後輩に最高のメッセージを残すことができたな。
そんな充実感で一杯だった。

エピローグ 残り火
ここから先は、もう一本道だった。
作り上げた方法を続けるだけで、どんどん自分を変えていけた。
もうこれで、終わりだな。
あとは単純作業と小さな修正だけ。
そう自覚した。

そしてそのころには次なる道が見えていた。
この今の力を使ってどのようにこれからの人生を生きていくか。
その道に向かって僕は進み始める。

※恐怖の克服への旅はこれで終わりですが
実はハッピーエンドではありません。
僕の旅はまだ続いています。
続きを知りたい方は、ホームの下のほうにある
「自分の居場所を求めて」をご覧ください。
内気克服とは無関係ですので、ほかを読み終えてから
読むことを勧めます。


僕が劇的に変わった方法。「恐怖を取り除く」こと
どうしてこんなことができるのでしょうか?
NEXTno.4
どうすれば恐怖を克服できるのか


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